生成AIの技術的背景について(第一報)
FleekdriveのPDF要約機能は、生成AI技術を基盤としています。
本機能の根幹をなす「推論」と「学習」の概念について、技術的な観点からご説明します。
※生成AIのご利用の為には、Business plus プランのご契約が必要です。
※2025年6月28日のメジャーバージョンアップ後にご利用いただけます。
PDF要約機能の中核的な処理は、⼊⼒されたPDFドキュメントの内容を解析し、その主要な要素を抽出・統合することで要約を⽣成する「推論」の段階において実⾏されます。
この推論プロセスでは、AIモデルはカットオフ⽇(※1)までに⽣成AIモデルに蓄積した広範な知識体系を活⽤し、⼊⼒された情報に対する最適な解釈と応答を試みます。
推論の過程で⼊⼒されたPDFドキュメントの内容、およびその後のユーザーによる操作履歴は、AIモデルの新たな学習データとして保持されることはありません。
⼊⼒情報は、あくまで当該PDFドキュメントの要約⽣成という特定のタスク遂⾏のために⼀時的に利⽤され、処理完了後に消去されます。
- ※1 カットオフ日とは、⽣成AIが学習データとして利⽤した情報の最終更新⽇のことです。
推論時、AIはこの⽇までの情報に基づいて回答を⽣成します。
したがって、カットオフ⽇以降の新しい情報については、直接的に回答に反映されません。
AIモデルが⾼度な情報処理能⼒を獲得するためには、「学習」と呼ばれるプロセスが不可⽋です。
学習とは、正しく整理され、質の⾼い⼤量のデータセットをAIモデルに投⼊し、データ内に潜在するパターンや規則性を⾃動的に抽出させる⼀連の処理を指します。
例えば、多様なPDFドキュメントとその対応する要約データをAIモデルに学習させることで、
「特定の構造を持つPDFには、特定の種類の重要な情報が⾼頻度で含まれる」といった関連性をモデルが⾃律的に学習することが可能になります。
この学習プロセスは、極めて⾼度な計算資源、膨⼤な時間、そして専⾨的な知識を必要とするため、相応のコストを伴います。
⼀⽅で、不特定多数から⼊⼒される情報は、その内容に偏りがあったり、ノイズが多く価値が低い場合もあります。
そのため、そのような情報を直接学習に利⽤することは、AIモデルの性能低下や予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。
弊社のPDF要約機能は、学習済みのAIモデルの推論能⼒を活⽤することで、効率的かつ⾼精度な要約⽣成を実現するものです。
弊社のPDF要約機能においては、ユーザーの皆様が⼊⼒される情報が、AIモデルの継続的な学習に直接的に利⽤されることはありません。
推論処理は、既存の知識基盤に基づいて実⾏されるため、機密性の⾼い情報を含むドキュメントであっても、安⼼してご利⽤いただけると考えています。
サービスの基盤となるAmazon Bedrock(※2)のサービス条件(※3)に学習に利⽤されない旨が記載されています。
⽣成AI技術は、情報アクセスの効率化と新たな価値創造に貢献する可能性を秘めています。
その技術的特性を正しくご理解いただくことで、本機能をより信頼性の⾼いツールとしてご活⽤いただければ幸いです。
- ※2 Amazon Bedrockは、Amazon Web Services (AWS) が提供する、様々な⾼性能な基盤モデルを利⽤できるフルマネージドサービスです。
- ※3 AWS サービス条件 50.12 に記載されています。
最終更新日:2025/05/27